東京大学大学院 新領域創成科学研究科 国際協力学専攻

中田啓之

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中田啓之(教授)
開発金融経済学分野
キーワード:ミクロ経済学理論、金融経済学
研究室ウェブサイト


  プロフィール

1992年 京都大学経済学部卒業
2001年 米国スタンフォード大学経済学PhD取得
2003年 英国エセックス大学 Department of Accounting, Finance and Management
    (現Essex Business School)Lecturer
2012年 東京大学大学院経済学研究科 特任研究員
    (独)経済産業研究所 研究員(同上席研究員を経て、現在リサーチアソシエイト)
2014年 英国レスター大学 School of Management(現School of Business)Senior Lecturer
2016年 同Associate Professor
2019年12月より現職

  最近の研究テーマ

  • 多様な期待の下での金融と保険の役割

  • 多様な期待の下での厚生の測定

  主な研究業績

  • 「巨大災害の保険メカニズム」澤田康幸編 [2014]「巨大災害・リス クと経済」日本経済新聞出版社:41-76.

  教育方針

知的好奇心を大事にしつつ、何事にも主体的に取り組む人に育つことを期待しています。研究テーマは、幅広く受け入れます。

  研究内容

金融システムは、リスクの移転やシェア、あるいは異時点間の資源配分を実現する手段を家計や企業に与えることで、貧困削減や経済発展に導く。反面、過去の金融危機に見られるように、不安定になりがちであり、しばしば実体経済、特に途上国や貧困層に悪影響を及ぼす。この不安定性は、多様な期待によって増幅させられている可能性が大いにある。また、多様な期待が事前と事後の評価の間の対立を不可避なものとし、厚生の測定を困難にする。これは、深刻な問題である。というのも、貧困削減や気候変動に関する政策のように国際的な協力を必要とする政策が典型的に多様な意見を抱えており、広く受容された厚生基準の欠如が国際的な協力を非常に困難にするからである。上記を踏まえ、主な研究課題として、理論、実証両方の側面から下記に取り組んでいる:1. 多様な期待の下での金融と保険の役割、2. 多様な期待の下での厚生の測定。

  学生からのメッセージ

中田研究室は2020年度からはじまった新しい研究室です。毎週一回のゼミでの指導では、ゼミ生の関心を「研究」にするため、関心の深め方から、役に立つ輪読文献の選び方、論文の読み方・考え方、履修戦略、さらに生活防衛(?)に至るまで、さまざまなご助言をいただいています。先生のバックグラウンドからは近づくのも畏れ多い印象を受けるかもしれませんが、ご指導方法は、ゼミ生の迷い、悩みを解消するために、背中を押してもらえるような感じです。今後のゼミは、将来のゼミ生の関心と個性によって形作られていくと思いますので、ぜひ一緒に知のフロンティアを広げながら研究室を創っていきましょう。(博士課程2年)

中田研究室では、専門においても人生の経験においても様々なバックグランドを持つ学生がいます。自分とは異なる視点からの意見やコメントは新しい発想につながり、自分の研究のヒントになったり、持論を見つめ直すきっかけになったりするので、とても刺激的な環境だと思います。基本的には週一回のゼミで進捗報告や文献の発表をしていますが、比較的少人数な研究室なので、一人ひとりにたっぷり時間を割き、じっくり議論しあえるのも特徴です。時には先生や学生の面白い経験やエピソードも聞けて、比較的に自由で馴染みやすい雰囲気だと思いますので、ぜひ一度見学しにきてください。(2021年度修士課程修了)