東京大学大学院 新領域創成科学研究科 国際協力学専攻

特色

  国際協力学専攻とは

 

 今日の世界は、途上国開発、貧困削減、環境破壊、資源管理、国際政策協調、グローバル・ガバナンスなど、国際協力に関連した数々の課題に直面しています。

国際協力学専攻は、これらの問題について研究・教育を行い、

  1. その解決や予防に向けて具体的な方策を提案して実践すること
  2.  政策立案能力と実務マネジメント能力を備えたグローバル人材を育成すること

 を通じて、社会に貢献することを目的としています。

 

   これらの問題を分析し解決するためには、個々の学問分野による取り組みだけでは不十分で、それらをうまく融合させて革新的な知見を生み出す「学融合的」アプローチが必要です。また、これらの問題に対処するには、問題が起こっている現場における観察を重視し、理論と実証を融合させて解決策を実践していく必要があります。

   例えば、途上国において新しい農業技術の普及がどうして進まないのかという問題を取り上げてみましょう。この問題に対処するためには、まず農業技術に関する農学的な知識が必要ですし、その上で、農民の意思決定にかかわる理論的考察をミクロ経済学やゲーム理論などをベースに行っていかなければなりません。さらに、その理論的考察を立証するために、実際にデータを集めて分析することが必要ですが、その際には統計学/計量経済学などの定量分析のためのツール、もしくは社会学・文化人類学的な定性分析のためのツールが必要です。分析のツールとして、自然科学を基盤とした社会ネットワーク論や空間情報学で利用されている手法をフルに活用すれば、さらに深い分析をすることが可能となります。

   したがって、専攻の教員は経済学、工学、農学、社会学、政治学などの多様な専門性を持ちつつ、フィールドワークに基づく学融合的な研究を行っています。そして、その成果を社会に還元するために、積極的に内外の政府機関、援助機関、企業と連携しています。

   国際協力学専攻は、このような現場を重視した「学融合」によって国際協力に関連した教育研究を行っているところに最大の特長があります。

 

  国際協力学研究・教育の3つのクラスタ

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