東京大学大学院 新領域創成科学研究科 国際協力学専攻

専攻長挨拶

 

ようこそ国際協力学専攻へ

 

 

 

 

 

 

2023-24年度専攻長
鈴木綾

 

 

世界の人々の生活を一変させた新型コロナウイルス感染症は終息の兆しを見せていますが、ロシアによるウクライナ侵攻、気候変動、生物多様性の喪失、地震等の大災害、高齢化、経済格差等、世界にはまだまだ解決するべき課題が山積しています。

 

これらの課題解決には、既存の知識の習得だけではなく、想像力、思考力、分析力、洞察力、コミュニケーション力、判断力、行動力等、様々な力が必要になります。これらの力をどう育てていけばよいでしょうか。当専攻では、これら課題を多様な背景を持った人々と、多様な切り口から、多様な手法で考えていくことを通して、課題解決力を育むことを目指しています。

 

本専攻、本研究科で掲げる学融合的な学びには、難しさがあります。教員の専門も、学生がそれまで専攻してきた学問も多様です。経験できる「幅」が広い環境ですが、一方で、お互いの理解が深まらないと、理解も浅く終わってしまう可能性があります。このような環境で何を習得できるのかは、個人個人がどれだけ相手を理解しようとコミットできるかにかかっているといえるでしょう。そして、専門の垣根を越えて共通の理解にたどり着いたとき、見える景色が一変するような大きな学びを実感することができます。

 

「木を見て、森も見る」そんな深くて広い視野を持つには、多様な視点との出会いが必要です。言葉の重みを持つには、肌感覚の伴った現状への理解がなくてはなりません。分析ツールが高度化する現在、実用的なスキルの習得も不可欠です。その上で更に、自分が何を課題として考え、どう取り組んでいくのかを見極める判断力やマインドを育てることも重要です。

 

本専攻では、そんな困難な旅路を楽しめる学生の皆さんをお待ちしています。ぜひ、国際協力学が出来ることを一緒に広げて行きましょう。

(2023年4月)